ピアノコンサート後記③(2023)

初めてステージに立つ6歳くらいまでの皆さんは「おはなしをピアノでひきましょう」というコーナーに出演します。

今回も3名の幼稚園・保育園の皆さんが、このコーナーでお母さんと共にステージに立ちました。

ペース・ピアノ教育シリーズ「幼児用おんがくをはじめよう」(通称モペット)と「音楽をはじめよう」(通称キンダー)のテキストの中から、10曲くらい好きな曲を選んで貰います。

次に、レッスンで個々に色々なお話を聞きます。
好きなことなどを聞くことが多いです。

好きな食べ物は?
好きな時は?
好きな場所は?
何をすることが好き?
何曜日が好き?

などなど

そのお話と日頃のレッスンで話してくれたこと、お母さんに以前聞いた話、これまでにラインで送ってくださったエピソード、入室した時のお母さんのお話、たくさん聞いた中で私がストーリーを紡いでいきます。

それも、モペット・キンダーの本から選んだ好きな曲に当てはめながら。

モペット・キンダーの曲に当てはまらないところは、演奏者が自作したり、他の曲を組み込んだりもします。

今回、自作してくれたのは、「桜キャッチ」「虫の鳴く声」「おじゃこピーマンの音楽」

「桜キャッチ」は、始めは1回だけ桜の花びらを手でパチンとキャッチする音を入れる提案をしたのですが、Aちゃんが「お友達4人とキャッチするので4回弾きたい」というので、そうしました。

「虫の鳴く声」は、Sちゃんとお母さんが上手に作ってくださって本当に虫が鳴いているような音楽が出来上がりました。

「おじゃこピーマン」もY君の作曲で、「最後に手を叩きたい」ということだったので、そうしてもらいました。
「おじゃこピーマン」を料理する場面だったので、「おじゃこピーマン、できた!(パチン)」と手を叩いたように感じました。
お母さんのお話だと、「好きなアーティストが最後に手を叩くのを見ていて、それをしたかった」ということでした。

他の曲を組み込んだのは、中川ひろたかさんの「にじ」

「にじ」は、Aちゃんが、いつもお家でお母さんとよく歌っているということで、ちょうど物語の最後のオチとしてピッタリだったので、この歌の骨組を弾きながら歌って貰いました。

それに、ジャズのエンディングで、「ベイシーエンディング」
これは、Y君の物語の最後のまとめとして私が組み込みました。

イヤイヤ。。。この物語の制作は、私にとって、とっても。。まあ、大変です。
けれど、これが楽しいんですよ!
私も苦労はするんですが、楽しいんです❣️

この「おはなしをピアノでひきましょう」を経験するかしないかで、大きくその後の音楽感が変わってくると思うんです。
子どもたちも皆んな、この「おはなしをピアノでひきましょう」が大好きです。

このコーナーは、モペットのテキストに3回出てくる「おはなしをピアノでひきましょう」からの着想ですが、当教室の発表会などでのこのコーナーは、初めてステージに立つ人の「自己紹介ミュージカル」と思って頂けたら分かりやすいかと思います。(ダンスはしないから、オペラかな?)「自己紹介ストーリー演奏」でしょうか!

このコーナーのプログラムです。(2023ピアノコンサート)


ちょうど、私と同じようにこのコーナーの大切さに気づいてくださっている方がおられて、感想を書いてくださっていたのでここに載せさせて頂きます。

(今回、本番の1週間前に突然、声の不調に見舞われ、考えた挙句にこの方にナレーションのピンチヒッターをお願いしておいたので、尚更のこと「おはなしをピアノでひきましょう」の意味を感じられたのかもしれません。無理なお願いを心良くお引き受けくださり感謝しています。その安心感に支えられて、7日間声の改善に努めることができました。本番は、予定通り私がステージに立つことができて良かったです。皆さんにご心配と不安を抱かせてしまい反省しています)


今回の3人は、ガッチリとペース・メソッドのレッスンが行えているので、これらの自作などの他は全てモペット・キンダーからの選曲でした。

これまでは、宿題を貰って併用曲を順に弾いていくレッスンを好んでいるような場合もありましたので、そのように併用曲集を持たせてその中から弾いたりしたこともありました。

選曲の出典はどうであれ、このコーナーはとても大切で、これぞ音楽!って感じです。
子どもたちが、これからずっと「のびのびとステージに立つためのスタート地点」です。

これを経験するからこそ、今後の発表会の曲への取り組み方や選曲の仕方、普段のレッスンでの曲の受け止め方が大きく変わります。
音を追っかけて指を動かすという平面的な弾き方ではなく、音楽の内容を捉えて弾くことが当たり前で自然なことになっていくのです。

金子ピアノ教室@樟葉

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